軽度要介護者の移行から半年経ちました

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投稿者:白山靖彦
今年4月から,要支援1.2の軽度要介護者が通常の介護保険サービスから市町村の総合事業(独自サービス)に移行し,自治体が苦慮しているらしい(中日新聞2017.8.19).苦慮している市町村は全体の45%を占め,今後要介護者1.2の移行に関しては,60%以上の市町村が反対している,と.

理由は,支える担い手不足が原因らしい.つまり,人材不足です.住民同士の支え合い,ボランティアで,と一口に言っても,組織化には時間がかかりますし,無償や低下でとなると,体制を整備するのにはより困難が生じます.そろそろ介護保険制度の設計を抜本的に見直す時期に来ているのでしょうか...要介護度ごとに決められた区分支給限度基準額や,介護報酬は,利用者の要介護度が軽くなるのを抑止するためです.軽くなるということは,本人や家族にとっては,本来とても良いことですが,その分,今まで使えたサービスが使えなくなり,不安も増します.結果,事業者も経営的にひっ迫し,継続性が危うくなる.これでは,要介護度はできだけ,そのままに,と暗黙知の共有がなされてしまいます.こういった問題は,以前から指摘されていますが,20年近く,制度開始以来変わっていない訳です.様々なデータや,軽度要介護者の介護予防効果などに関しも示されていますが,現行制度の下であるため,その信頼性について完全であるとは言えないでしょう.

今後は,できる限りそういった制度バイアスを排除した効果測定する必要があります.たとえば,リハビリにおいては,ADLがどのように改善したかをFIM(日常生活指標のひとつ)の前後比較で,その効果を示しているように,生活支援や介護予防といったものが,どのように効果を発揮し,そのためには必要な財源や人をあてる,というエビデンス主義的な地域包括ケアシステムの構築が重要と考えています.みなさんと一緒にその点に関しても学術集会で議論したいと思います.
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