認知機能の低下防止にはデュアルタスク

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投稿者:管理者
最近,認知症予防に何が良いのか,ということが話題に上がります.もともと,脳の機能は多様で,様々な部位が連合してひとつの役割を果たしています.ですから,単純に記憶をつかさどる海馬部分が委縮したからと言って,すべての記憶が悪くなる訳でもありませんし,いきなり生活ができなくなることもありません.

知る,考える,聞くなど,総称して「認知」または「認知機能」と言いますが,その認知機能を低下させない最有力候補が「デュアルタスク」だと言われています.これは日本語に訳すと「2重課題」というもので,同時に2つのことを行う・考えるというとです.

たとえば,頭を使いながら体を動かす.右手を挙げてください,という指示で右手を挙げるのもデュアルではありますが,これはあまり頭を使いません.しかし,右手を挙げてくださいと言ったら左手を挙げてください,と言われたら,「右手...」と聞いた瞬間に頭の中で「いや,左手だ」と考え直して左手を挙げる.これは,いったんステレオタイプ(思い込み)を挟み,それを修正することが求められますので,デュアルタスクとしての難易度が上がります.こういう訓練を日々取り入れることで認知低下が防止できる,と報告されています.

そういった意味ではスポーツも頭を使います.テニスなら相手のいない場所を探してスマッシュを打つ.ゴルフなら,次に打つボールをどこにおけばいいのか考えながら打つ.打った打数も数えないといけませんし,大変です,(#^^#).

杏林大学の研究チームがゴルフという題材を使い,認知能力の向上を果たした研究を発表しています.まったくゴルフの経験ない65歳以上の方を集め,ひとつは徹底的にゴルフレッスンやラウンドをさせた結果,何もしなかった群に比べて認知能力が向上した,というものです.まあ,そんなことを聞くと,ゴルフができるぐらい元気な高齢者であり,最初から認知能力もよかったのではないかと思われるでしょうが,前向きに調べた結果ですので,信頼性はあります.

ただ,人間の身体と脳は,神経でつながっており,感覚器を使えば脳に刺激が伝わり活性化することは周知のとおりです.ですから,ゴルフをやったということよりも,もしかすると仲間とおしゃべりをしたり,楽しい,という感覚をもって取り組んだ結果によっても良くなることは大いに考えられます.また,そういったことが複合的に重なった結果かもしれませんし。

でもデュアルテスクは,脳の認知能力の低下防止には間違いなく有効な方法でありますので,サロンや人々が集まる機会があれば,デュアルタスクの題材を使って頭と身体を同時に使ってみるプログラムに取り組んでみるのもいいでしょう。

脳機能のスクリーニングテストにストループテストというのがありますので,ご紹介しておきます.「あか」を「あか」と読むのではなく,「あか」と書かれている字の色を言うのです,さあ,頑張ってください.
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