地域包括ケアシステム研修会報告(徳島県医師会館にて)


投稿者:白山靖彦
今日は,「徳島県地域包括ケアシステム講演会~医療介護連携推進に向けて~」に参加してきました.徳島県医師会と帝人ファーマ(株)・帝人在宅医療(株)との共催で,主にICT(バイタルリンク)を活用し,在宅医療・介護の連携事例の紹介でした.

座長は,徳島県医師会副会長の木下成三先生で,なんと当学会の宣伝をして頂くなど,大変お世話になりました.

演者の先生方は,徳島市医師会の常任理事をされています豊田 健二先生,そして,大阪藤井寺の方で実際にバイタルリンクを使用し,在宅医療・介護連携を実践されている数尾 展先生でした.

豊田先生からは,ICTの活用もさることながら,地域包括ケアシステムで最大の課題ともいえる「認知症」に関し,大きなヒントを頂きました.「末期がんや医療ケアが必要な方は,ほぼ在宅医療でカバーできる.しかし,認知症は医療だけでなく,多職種との連携や住民をも巻き込んだ地域ぐるみの取り組みが必要だ」と.確かに,認知症の問題は,地域全体として捉え,どのように対応していくかを考えることが重要です.そのために,徳島市医師会では,モデル地域を定め,地域の住民の方々と医師をはじめとする専門職との協議会のような組織をすでに形成して定期的に検討しているとのことでした.そこでは,解決する答えが即座に導かれなくても,顔のみえる関係をつくることで,解決へのヒントが生まれ,地域に根差したものとなり,包括ケア構築の大きな力になる,と.

次に数尾先生からは,ICTを活用する場合,①簡便で使いやすい②情報セキュリティが強固であること,が重要で,「とりあえず使ってみる」では長続きしない,と警鐘を促されました.実際に,他の皮膚科の先生,歯科医,栄養士などの方々と使用すると,様々な情報を双方向で共有でき,効率的である,とも.
最後にわたしが「システムを利用し,業務効率がどの程度軽減されたのか」と質問したところ,「10%どころではない,50%ぐらいかな」とお答えになると,150人以上いた会場からどよめきが...(笑).効率性はとても重要で,今まで100人の患者さんを精一杯診ていたのが150人まで診れる,または,より質の高い医療や福祉サービスが提供できる,ということになりますから.最後に,質問したご褒美にちゃっかり大阪のお土産をもらったりして,!(^^)!.

お二人の先生の温かいお人柄を感じながら,とても心地のよい研修会でした.軽食のサンドイッチもおいしかったですし.また,いっそう勉強する意欲も湧きました.
情報セキュリティの重要性については,例を示しておきますので,ご参考まで.
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