地域への愛着は,包括ケアシステムの進展に寄与できるのか


投稿者:白山靖彦
地域愛着が高い人ほど,町内会活動やまちづくり活動などの地域への活動に熱心で,行政を信頼する傾向が示された,という論文を見つけました.確かに地域愛着が高ければ,人が主体的に活動する,という論理性は分かる気がします.

地域愛着の定義は様々な先行研究おいて「人間と場所との感情的なつながり」と引用されています.ただ,どうしたら地域愛着が高まるかということが,明確に示されていません.非常にあいまいな概念であり,その場所,時間によっても大きく影響を受けるからです.また,常にそれを感じている訳でもありません.学生に「どういう時に地域への愛わ感じるのか,その感情が高まるのか」と尋ねたところ,「東京に行って人込みに揉まれた時」「近所の知り合いと挨拶した時」「家族と地域を歩いた時」など様々でした.ただ,人が地域へ愛着を感じる時は,その場所スポット的に好き,という単純なものより,人との関係性を介在してその場所を好きになる,ということが正しいようです.

???→地域愛着を高める→街づくり活性化・包括ケアシステムの進展 という最初の???を明らかにすることも面白い研究になると思うのですが.この場合,そこに関わる支援者や行政の方の地域愛着も重要なファクターな訳で,住民だけでなく相乗的なものだと考えられますね.ご参考までに.


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