在宅医療・介護連携推進事業(地域支援事業の包括的支援事業)ってなにもの?


投稿者:白山靖彦
2018年度までにすべての市町村で実施されることになっている「在宅医療・介護連携推進事業」で一体なにものなのでしょうか.教科書的には
①医療に関する専門的知識を有する者が,介護事業者,居宅における医療を提供する医療機関,その他の関係者の連携を推進する事業
②日常生活の支援および介護予防に係る体制の整備,その他これらを促進する事業
③保健医療および福祉に関する専門的知識を有する者による認知症の早期における症状の悪化の防止のための支援,その他の総合的な支援わ行う事業
となっています.

図式では,在宅医療・介護連携支援センター郡市区医師会に設置し,地域包括支援センターと連携して,24時間365日の在宅医療・介護の提供を図ることと示されています.しかし,この事業は市町村が実施する地域支援事業の中の包括的支援事業のひとつとして,実際は地域包括支援センターが担う訳です.いくつもコンテンツというかメニューがあり,ほんとに実現できるのかその可能性を疑いたくもなります.

地域包括支援センターには,65歳以上の高齢者人口に応じて保健師,社会福祉士,主任介護支援専門員が配置されていますが,医師はいません.ですから,地域の医師会と連携することで...うんぬんですが,医師会はそもそも開業医の先生方の集まりであり,形式的な団体である訳ですから,医師会自体に専門の医療に関する専門的知識を有する者がいつもいて,この事業を推進していく人材が確保されてません.となると,地域包括支援センターの保健師さんが孤軍奮闘みたいになりはしないか危惧されます.

この事業では,在宅医療・介護連携に関する会議も必要とされており,地域ケア会議とどのように違うのか,また,生活支援体制整備事業との関連はどのように図るのか,これまた明示されていません.

今後,様々な地域支援事業を各市町村の動向を踏まえながら随時進捗について報告していこうと考えています.
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