老年系学会報告


投稿者:白山靖彦
名古屋では,今日までに老年系の学会が開催されており,すごい賑わいです.シンポジウムや教育講演,口演・ポスター発表で共通することは,やはり「地域包括ケアシステム」です.地域包括ケアシステムそのものでなくても,フレイルやサルコペニア,認知症など,それに関連するキーワードが多く,みなさん必死でエビデンスを出そうとしていて,学会のもつエネルギーみたいなものをひしひしと感じています.

本学会の顧問をして頂いている東京大学の飯島先生も大活躍で,柏プロジェクトや様々な地域を通じて,どういった方がフレイルになりやいのか,また,要因分析に至る広範囲な研究に関して発表されていました.運動していないと,運動している人に比べてフレイルになる確率が何倍高くなるのか,とか,というデータはとても参考になりました.

こうしたデータは,わたしたちがどうしても伝えたいと考えている一般市民の方にも有用で,自分事として考えてもらうよい機会になります.だからこそ,エビデンスを出すことが必要なのでしょう.徳島県においても何らかのエビデンスを出し,地域包括ケアシステムをより一般化していかなければ,と思いました.

ちょっと気になるデータもありました.自動車運転免許を返上した高齢者が要介護になる率が有意に高い,というものです.最近,軽度認知症などで運転免許を返納される方が多いですが,運転しない→閉じこもる→心身の衰弱→要介護 という順番なのでしょうが,これからはこういった社会的問題についても,老年系学会で深く研究されることを期待したいと思います.もっと,もっと勉強しないといけない,ということをまた痛感した次第です,(#^.^#).
本学会にご賛同頂きました団体会員の皆様

本学会にご賛同頂きました賛助会員の皆様